2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

入水しない

「くれぐれも規定量を守ってください。精神に働きかける薬といっても、循環器系に多大な負担がかかりますから。飲み込んだ薬が脳に届くまでに通る道は血管なんですよ。あたりまえですがね。」 「ええ、でも、僕は自分が感情過多だってことは認めているんです…

善良な莨

先頭から順に赤く燃えあがり、酸化され、役目を終えおとなしくなったそれは殆ど白っぽくたまに黒の入り交じった死灰として無風の真夜中を舞う それは、農場にて生物として自由に活動をしていた時には決して想像できなかった、生命としての終焉を越えた、商品…

不自然人間

「どこか遊びに行こうか、どこに行きたい?」 不意に想像材料を与えられた車椅子の子供たちは、各々が即座に広げた想像図を外に放出する欲求に忠実になり、熱を帯びた目でホワイトボードの方向に視線を向けている。 「行く場所はどこでもいいのだけど、でき…

身元

かれは安定のない自信をもっていた。 その不安定な自信によって構築されたかれの表皮は 時に違和感と厭らしさとそしてみすぼらしさとを周囲の人間に与えるのだった。 かれがひょうきんを演じている途中、かれは襟首をつかまれる。 そして時をおいてまたかれ…

すごい

「僕はあの偉い方と同じ街に住んでいます」 と将来の彼がつい言ってしまうのを彼自身が今現在予見するも結局 未来では くしゃみをするように口を開いてそれを滑らかに吐き出してしまうのだった (何故なら我慢をすれば喘息になってしまうからだった。彼は自身…

凡な、あまりにも平凡な

彼は作品を作るたびに出来上がったそれを知人に見せて感想をもらう しかし毎度必ず否定的な意見が飛んでくるのだった 苛立った彼はある日有名な芸術家のマイナーな作品を自分の作品として知人に見せてみたすると逆に、彼は自分の作品を有名な芸術家によるマ…

考えるだけで終わらせない

モヤモヤは他者からの評価よりも自己評価の方が高いだけにすぎないって感じ 謙虚さの無さが、むしろ上辺だけの謙虚さが、この渋味の原因かもしれないなライブをしないミュージシャンは音がすべてのはずだから、評価の事など考えないで、憧れの作品と自分の作…

チワワは吠え続ける

もし自分があの時見たチワワ達の中の1匹だとしたら颯爽と通り過ぎてゆくコリーに対して仲間のチワワ達が吠える中で自分はきっと尻尾をふってその逞しい犬を見送ることしか出来なかっただろうと思ういつかあんな大きなコリーに成れるだろうかなどと甘く重い感…

会話

A「僕が文章書くとどうも物事を本質、真実から遠ざけてしまうようで…」 B「誇張」 A「そう!誇張です失礼しました…ほらまたこんなところでも…誇張と言えば済むところを本質などという重量不定無職の単語などを使って…」 B「大変拙いですよ。恥を知ったらいい」…

悪意を留める方法

子供たちは、大人たちが何故そのように存在しているのかについて深く考察をしない…子供は小さくそして軽い そして動機に満ちている 子供たちとは 思い返す自分自身にすぎないのかな 子供たち代表として あの頃の僕 的な自分がその時にはまり込んでしまってい…

お試し価格

「人の気持ちを試す奴にろくなのがいない」 って激しく厳しく猛々しく同意だな… 恋愛もそうだし、め、面接も… じ、自分もか

避暑地の出来事

逃げて困ったことなどない いつも逃げる度に、逃避に成功する度に避暑地にて心の底から安堵のため息をついたもんだ

影響

「参考程度に」 彼はその言葉を貰うたびに「もしかしたら、俺は身近な人たちの足を思いっきり引っ張っているのではないか」 と思うのであった。 さらに彼は考える… 「俺はもしかして哲学的なのかもしれないな。その人がよく考えもせず信じきっている価値観か…