ドライブしていたら、車高の低い、いかにもな車に後方から煽られた。
ルームミラーには、異常なほど接近した車が大きく映っていた。
私は恐ろしくなって多少速度を速めるも、後ろの車は相変わらず距離をとろうとしない。
やれやれと思っていると前方に猫が飛び出してきた。
ブレーキを踏もうと思いつつ、後方との距離を思いつつ、
結局、ブレーキにならないブレーキをかけ、私は猫を轢き殺した。
ただ鈍い、聴きなれない音が、糊のようにべとりと冷たく耳についた。

信号待ちで私は車を降り、後ろの車まで歩いてゆくと間もなく車を蹴飛ばし、ひたすらに怒鳴り散らした。
窓を開けて何かをこちらに言っていた運転手。
多少非を認めて謝っていたようだった。
私は余裕などなく、煽られたせいで猫を弾いたことをすべての熱源として